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once 23 秘められた過去(3)

***23*** 

俺は学校の帰り、智紀と一緒にコンビニに行っていた。

智紀が飲み物を探して、少し離れた場所にいた時、俺は違う高校の制服を来た男子集団の話を聞いてしまった。

「なぁ、コレ」

「おお、それでいいんじゃないか?!」

集団はゲラゲラと品なく笑っていた。「ざまあねえな。川島朝子も、これで口きけなくなるぜ」

「はっずかしぃ~」

やつらはまた、ゲラゲラと笑った。俺は、集団の中の一人が、「コレ」と言って持っていたものを見た。

電・・・球?! まさか!?

「おい、お前ら。待てよ」

俺の声に、自転車で去ろうとしていた集団の全員が振り返った。全部で7人。これは、一人では無理かもな・・・。智紀が気付くといいが・・・。

「そんな大人数で、朝子に何する気だ?」

「お前誰だ?!」

「俺は、朝子の男だよ。質問に答えろ」

男子集団の一人が、嘲り笑いを浮かべながら、電球を掲げた。「これ見てわかんねぇ?」

有芯は怒りで我を忘れそうになるのを必死でこらえた。やはりそうなのか?! 話だけは聞いたことがある。女性を辱めるために、性器に電球を突っ込むという最低のやり口を。自分では取れなくて医者に行くが、上手く歩けないその姿は惨め極まりないと・・・。

俺は必死で怒りをこらえ言った。「おまえら、どうせ朝子にやり込められたんだろう? 口で勝てないからって、女一人に7人がかりで、バッカじゃね?!」

「なんだと、こいつ・・・!!」

「あ~怒った怒った、やっぱ馬鹿だなぁ!」

俺が叫ぶと、やつらが自転車を放り一斉に殴りかかってきた。一人倒し、二人倒し、三人目に殴られ、4人目に踏みつけられた。

「へっ、弱ぇ~」

5人目が俺の顔を蹴ったその時、集団の一人が「何だお前?!」と言い、そいつが誰かに殴られて倒れるのが見えた。


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